人生100年時代を生きるための仕事軸とは?~シニアの星、村上光子さんに聞く~

「人生100年時代」をどう生きるべきか、ヒントを探している人も多いのではないでしょうか。

筆者自身が10年後の働き方を考える上で、ロールモデルとしている人のひとりが村上光子さんです。

村上さんのお話から見えてきた3つの仕事軸が、人生100年時代のヒントになるかもしれません。

心理カウンセラー・Webライター/村上光子さん 
宮城県気仙沼市在住。2018年より心理カウンセラーとWebライターの活動を始める。
みんなのカレッジWEBライターコースではメンターとして受講生を熱く応援し、多くの受講生から「人生の師匠」と慕われている。
また、活躍するシニアとして各方面から注目され、テレビや雑誌の取材、セミナーへの登壇も多い。村上さんのnote:https://note.com/rriohinayuzumiyu

聞き手/山口ちゆき
広島県福山市在住。WEBライターコースでは村上さんと一緒にメンターとして活動中。

仕事軸その1 生かされたものとして人の役に立つこと

村上光子さん

ーー活躍するシニア、すなわち「シニアの星」としてあちこちのメディアから、注目が集まっていますね。心理カウンセラーとWebライターとして活躍中ですが、心理カウンセラーの仕事についてあまりお聞きしたことがないので、教えてください。病院や学校などに出向いて相談にのるのですか。

村上光子さん(以下、村上)

いいえ。Web上で読者の悩みに答えています

心理カウンセラーの協会があるのですが、その協会が運営するWebサイトへ読者が悩みを寄せ、所属している心理カウンセラーたちが悩みに答えていくんです。

簡単な相談もありますし、内容が複雑で何度もお話を聞くこともあります。

その他に、クラウドワークス経由で心理カウンセラーの仕事が来ることもありますね。

ーーなるほど。Webを使ってのカウンセリングなのですね。心理カウンセラーを目指されたきっかけは何だったのですか。

村上

2つのことがきっかけとなっています。

1つめは、販売の仕事をしていたときに、お客さまから悩みの相談をよく持ちかけられたことです。

もちろん、悩み相談でお金をいただくわけではありませんでしたが、お話を聞くことは私に向いているのかなと思いました。

2つめは、東日本大震災です。

私自身も被災して、命からがら逃げました。

私の周りにも、辛い経験をした方たちがいます。

生かされたものとして、一体これから何をしたらいいのだろうと考えました。

考えて考えて辿り着いたのが、心身ともに傷ついている人たちの役に立ちたいということだったんです。

そこから勉強して、心理カウンセラーの資格を取りました。

ーー震災後、どのようにカウンセリングをされたのか、聞いてもいいですか。

村上

震災に遭われた方のカウンセリングでは、ただお話を聞くだけのほうが多かったですね。

一人ひとりにそれぞれのドラマがあり、一人ひとり傷ついていました。

自宅や職場・車を流されたり、家族を失ったり、自分自身も危ない目にあったり。

きりがないほどいろいろな状況があり、それぞれの悩みがあります。

ですから、心理カウンセラーといっても、こうしましょうといったアドバイスをするのではなく、ただ寄り添って話を聞くという感じでした。

ーー寄り添うこと、思いを共有することが、癒しになるのですね。「生かされたものとして何ができるか」との言葉が、胸に響きます。

参考:東日本大震災|生死を分けた女性の判断!4つの正しい逃げ方とは?

仕事軸その2 働き続けること

ーーもうひとつのお仕事の柱がWebライターですね。具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか。

村上

今いただいているのは、対談を記事化する仕事です

そこからさらに、インタビューする側になったり、対談のファシリテーターをしたりと、新しい経験をさせてもらっています。

もうひとつは、みんなのカレッジWEBライターコースの「メンター」ですね

先輩ライターの立場から、受講生の課題を添削したりイベントで質問に答えたりしています。

ーー村上さんの熱い指導には定評がありますよね。私自身も「ターゲット」を明確にする大切さを、村上さんから学びました。ところで、村上さんはそもそもなぜ、Webを使って仕事をしようと思われたのですか。

村上

働き続けるためには、パソコンを使った在宅ワークが最適だと思ったからです。

前職は宝飾店をやっていました。

しかし、60歳になる少し前に膝を痛めてしまったうえ、交通事故にもあって、立ち仕事が辛くなってしまって。

仕事は続けたい。

では、どうすれば働き続けられるのか?

いろいろ探してたどり着いたのが、クラウドワークスでした。

実際にクラウドワークスで何ができるのかはよくわかっていませんでしたが、とにかくパソコンがあれば仕事ができるというので、すぐに登録したんです。

ーー行動力がすごいです。

村上

とはいっても、登録するところから四苦八苦するような状態だったんですよ。

けれども、ちょうどそのタイミングでチラシを目にしたんです。

仕事軸その3 学び続けること

ーーチラシとは?

村上

クラウドワークスと気仙沼市が開催した「クラウドソーシングを活用した人材育成事業」のチラシです。

子育て支援を銘打った事業だったようなので、私は対象外かなとも思いました。

でも、クラウドワークスの方が気仙沼まで教えに来てくれるなんて、またとないチャンスです。

電話をして「年齢制限はありますか?」と聞いたら「ない」と言われたので、張り切って受講しました。

ーーここで「運命の出会い」があったのですね。

村上

そうです。クラウドワークスの眞道さんが私の「運命の人」です。

眞道さんからWebライティングの基本を教わって、これまでの価値観がガラリと変わりました。

それまでは、何かを書くといえば辞書を片手に原稿用紙に鉛筆で文字を書いて、消しゴムのカスが机の上に溜まるような、古臭いイメージしかなかったんです。

けれども、パソコンでできること、学校で習った「起承転結」ではなく「結論をはじめに出す」ことに魅力を感じました。

もともと、答えのはっきりした数学が好きだったんです。

最後まで読まないとわからない本なんてあまり好きではなかったんですが、Webライティングはそうではなく、数学のように小気味よいのだとわかりました。

180度の意識転換です。

ーーそうしてすごい勢いでWebライティングの基本を吸収し、ライターとしてのキャリアが始まるのですね。私も同時期にクラウドワークスが別の市で開催した事業の出身なので「気仙沼にすごい人がいる」という噂は聞いていました。

村上

いまだに眞道さんには「村上さんは『URLって何?』と聞いてきた」と笑い話にされています。

ーーその後、村上さんの学びっぷりに惚れ込んだ眞道さんから、メンターの仕事の誘いが来るわけですね。

村上

正直、引き受けるか断るか、とても迷いました。

メンターのお話をいただいたときは、クライアントに勧められたアフィリエイトブログを運営していて、毎日毎日必死で記事を書いていたんです。

でも、なんだかよくわからないけど、私をここまで駆り立てて導いてくれた眞道さんに、またついていってみてもいいかなと思いました。

もし他の人から誘われたら、引き受けていなかったでしょうね。

ーーメンターの仕事を引き受けてみて、いかがでしたか?

村上

本当に人生が変わりました

受講生に何かを伝えるためには自分が理解していないといけないので、ここからさらに一生懸命に勉強しましたし、今もどんどん新しいことを学んでいます

メンターをしていたからこそ、今、ライターとして仕事ができていると思います。

これもまた「運命の出会い」でした。

ーーそうですね、私も同じように思っています。

村上

それからね、眞道さんもそうですけれども、一緒に仕事をする「仲間」がいたからこそやれたと思うんです。

仲間との出会いも「運命」でした。

メンター仲間やライター仲間からも、多くの影響を受けています。

みんなのカレッジでは「仲間と学ぶ」ことが学び続けるためのポイントになっていますが、ライターとしても「仲間がいる」ことが大切だと、私の経験から声を大にしてお伝えしたいです。

ーーもし、村上さんがクラウドワークスやライターの仕事に出会っていなかったら、今、何をしていると思いますか。

村上

そうですね。もし眞道さんに出会わなくても、やはり結局いろいろと探して、クラウドソーシングにたどり着いているような気がします。

そして、みんなのカレッジの「副業・フリーランスコース」のような講座で、自分に何ができるのかを考えていたのではないでしょうか。

ーーつまり、やはり出会うべくして出会ったと。

村上

ええ。

もしこれらの出会いがなかったとしても、きっと今と同じようにどこかで学んでいたと思います。

参考:【みんなのカレッジ】卒業生が気になる「学長」とは?運命の人は「化けもの」だった!取材②

今後力を入れたいのは「シニア世代に伝えること」

ーーでは、今後について聞かせてください。これからどのような仕事をしたいと思っていますか。

村上

やりたいことはいろいろあります。

でも、一番力を入れたいのは、シニアに向けてさまざまな発信をすることです。

ーーシニア向けの記事を書く、ということですか。

村上

記事だけではなく、直接伝えられる手段があればなんでもやっていくつもりです。

テレビや雑誌の取材を受けるのも、渋谷区のシニア向けセミナーに登壇するのも、その想いからです。

実はね、記事を書いても、シニア世代はあまり読んでくれないんですよ。

友達に「こういう記事を書いたから読んで」と伝えても「どうやって見たらいいのかわからない」とか「パソコンなんか無理」なんて言われるんです。

だから、記事を書くだけでは伝えられないと思っています。

シニアだからスマホもパソコンも無理、なんて言ってる人たちに喝を入れていきますよ!

若者の世話になるのが当たり前、世話してもらって当然、だってシニアには無理だから、と思っていてはダメです。

自分でできることは自分でやろう、働けるうちは働こうと、伝えたいですね。

人生100年時代、60歳からなら40年もあります。

この時間を、何もせずに過ごすなんてつまらないじゃないですか。

私たちはどうせそのうち、動きたくても動けなくなるんです。

だからこそ、動けるうちに、できるうちに、やれることはいろいろやっていかなくちゃ。

別に私がライターだからといって「ライターをしましょう。シニアには最高ですよ」というつもりはありません。

ライター以外にも、いろいろな働き方があります。

まず自分に何ができるのかを知ることが、人生100年時代を生きる私たちシニアの、新しいスタートになるのではないでしょうか。

おわりに

子育てや介護を終えて、今ようやくやりたいことができるようになり、毎日がキラキラと輝いていると話してくれた村上さん。

出会いをチャンスに変え、さまざまなことを積極的に吸収してきたからこそ、「今が一番楽しい」と断言できるのだと感じました。

3つの仕事軸を持った村上さんのこれからの発信が、本当に楽しみです!

投稿者プロフィール

山口ちゆき
山口ちゆきライターTips記事の執筆担当
Webライター。教育、食、ライフスタイルのジャンルを中心に、わかりやすい記事をお届けします。みんなのカレッジWEBライターコースメンターとして、これまでに千人以上のライターをサポートしています。

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